新しい職場 2016.05.07
 
  新しい職場の<山口県水産研究センター内海研究部>です。 アサリ貝を増殖研究している試験池から建屋を撮影

 今年の正月明けの6日に面接を受け、8日には採用通知があり、実質翌営業日の12日から勤務に就きました。
 山口県の水産研究センターは、外海研究部(長門市仙崎)と、内海研究部(山口市秋穂二島)の2ヵ所があって、管理人が通うのは、内海研究部のほうになります。 その中は、「海洋資源」「栽培増殖」「環境病理」の3つのグループから成り立っていて、その研究テーマは多岐にわたっている。 僕が配属となったのは「栽培増殖グループ」で、色んな種類の海洋生物の増養殖を研究する部署。 僕の仕事としては、主にアサリ貝の養殖事業の補助をする仕事です。


 上の写真の大きな試験池の中でアサリ貝を育てている。大きさは約4500坪。写真の右側が海に面していて、必要に応じて海水を取り入れたり、吐き出したりしている。 アサリ貝の事業といっても貝を売るわけではない。 あくまでも研究が目的で、この池で2cmくらいまで育て、要望のある市町村や漁協に提供する。
 入所して1ヵ月後の2月、寒風吹き荒ぶ中1度目の回収作業が行われた。
と言っても潮干狩りじゃなくて(笑)、消防ポンプの水圧で土砂を吹き飛ばしながら貝を回収していく作業。 寒くてさむくて、涙や鼻水は垂れほうだいだし、足腰は疲労困ぱい状態だ。 入所以来最も疲れた作業。(笑)
 実際はもっと大人数で作業する。 僕は訳あって外れられたので、写真が撮れた。

 この試験池には、1〜3mmの稚貝の状態で蒔いて、1〜2cmまで育てて出荷する。 それでは蒔く前の稚貝はどこで育てるかというと、次の写真のような室内の水槽で飼われている。
 手前黒い丸い水槽が海水を1t溜められる1t水槽。 奥の黄緑色の角いのが2t水槽。

 ご存知かもしれないが、アサリ貝は植物プランクトンを餌とする。 研究所では、稚貝を育てるための植物プランクトンも自前で作っている。
 50t水槽。エアーを送って植物プランクトンを育て、ポンプで汲み上げて稚貝の水槽に液送する。   植物プランクトンの原液も作っていて、これを50tなどの大型水槽に小分けしてから培養している。

 稚貝をいったん試験池に蒔くと、今度は作った餌はやらない。 取り込んだ海水の中の自然界にいる植物プランクトンを食べさせている。 それにしても、仕切られた池の中の事で、自然界の干満がそのまま影響するものではないので、ホームセンターで買ってきた鶏糞を撒いて植物プランクトンの成長を促す。 2〜3日間隔で鶏糞40袋を、箱舟の上から撒いていく。
 植物プランクトンはアサリの餌となるので歓迎だが、そのほかの海草(アオサや青海苔など)は貝の成長を阻害するので、嫌われ者。(笑) 嫌われ者の方がむしろ、鶏糞の栄養を貰ってスクスク育つため、船外機をつけた箱舟で網を引いて、海草を取っていくのも大事な仕事。 僕の場合まだ箱舟の操船が未熟なため、研究員の運転する船に同乗し、網の投入や網上げするのが役割。 いつまでも一人立ちできない高齢者なのです。(笑)

 
 2週間前には、親貝から産卵させる作業がありました。 親貝を養殖業者から買ってきて、海水を掛けたり抜いたりを何度も繰り返すと、貝からすると自然の危機が迫ったと思い、子孫を残すため産卵が一気に促されるといった面白い現象。 まずはオスが精子を放ち、それに促されてメスが卵子を放出する。 感動のシーンが見られた。 2〜3日経って顕微鏡を覗かせてもらったら、アサリの赤ちゃんが元気に泳ぎまわっていて、またまた感動。 自分の子供や孫に思えるような可愛らしさがあってとっても楽しい。

 この歳になって縁をもらって就けたこの仕事、日ごろ知ることもなかった海の生き物たちの生態を知れるなど、興味津々の面白さがある。 作業によっては疲れ果ててしまうことも度々あるが、今は興味のほうが勝っている。
もう少し体が続くだけ頑張ってみようかと思っています。
  アサリ貝だけではなく、その他の貝類や魚や海藻類など色んな研究員が色々飼育している。

 また面白い出来事に出くわしたら、報告して行きますので、お楽しみに。。。
管理人の小部屋 P-16 雑記帳
戻る  進む
P-18